2007年12月30日日曜日

来年こそ改めたいこと

昨日の日経新聞・プラス1に特集記事で「来年こそ改めたいこと」という記事が載っていた。

「日経生活モニター」で「なんとか改めたいと思っているにも関わらず、なかなか改まらない、直らないこと」というアンケートの回答(有効回答3572)を集計したところ、上位は以下のような回答だったという。

1. 整理整頓や部屋のかたづけができない
2. ダイエットや運動など、飽きっぽくて長続きしない。
3. やるべきことを先送りする。
4. 一日の時間の使い方が下手
5. 物が捨てられない。
(以下略)

うーん。すべて自分にもあてはまる。私の場合、若い頃を振り返ってみると、20年前も、30年前も同じようなことを考えていたような気がする。

特に3.はリタイア後は時間があり余るほどあるので、あまり感じなくなったが、仕事をしていたときは面倒なことは先延ばしにしてしまい、余計に状況を悪化したということがよくあった。山のように仕事をかかえると、重要度より緊急度を優先してしまい、後でよく反省したものだ。私にとっては「今は昔」の物語ではあるが・・。

この記事では、それぞれの項目の内容を延々と解説している。肝心の解決策は?というと、最後にひと言、専門家の意見が掲載されている。

東京えびすさまクリニック院長(精神科医)は「まずは腰をあげる。小さな改善でも『できた』という達成感を積み重ねると、改善の意欲を持続させやすい」ということだ。

竹に節があるように、年末・年始は時間の区切りにいちばんふさわしい時。私も過去、正月のたびに何度も「自分の行動を反省し、目標を作る」ことをよくした。大体は3日坊主に終わったことが多いが、反省をしたことは意識に残り、長年のうちには多少の向上には役立っているようにも思う。
こんな程度では、私のような劣等生が優等生には変わらないのだが、それでも箱根のスイッチバックの列車が少しずつは登るように、少しずつは進歩したとは思う。周囲から「自己満足!」という声が聞こえてきそうだが・・。

今年も今日と明日を残すのみとなりました。今年の記事は今日を最後にしたいと思います。今年1年当ブログをご訪問戴き、ありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。

どうぞよいお年を・・・。

2007年12月28日金曜日

薬害肝炎問題

薬害肝炎問題は自分と病気は違うが、薬の怖さの点ではひと事とは思えない。この問題は単なる副作用ではなくて、本当の薬害。止血のために使った薬が肝炎→肝硬変→肝癌になるなんて、患者にとってはたまったものではない。患者には何の罪も落ち度もないのに、一生を棒に振るのだから、当然国と製薬会社は患者に救済をするべきだ。

ようやく「一律全員救済」の方針が固まって胸をなでおろした。福田総理も原告団に謝罪もした。途中では総理の煮え切らない態度にやきもきしたが、支持率急降下で考え直したのだろう。そういう意味では国民の声なき声が応援したといえると思う。

とりあえず肝炎患者の救済について一段落して、法制化の段階だが、国の責任問題がどう盛り込まれるかが次の課題だ。

この問題は実にひどい話だ。薬害問題はこの肝炎だけに限らない。どうして次々に同じ過ちを繰り返すのか?いつもその場限りの処置をして恒久対策を講じないからに他ならない。この際、国の責任を明文化して、2度と再発をさせないというシステムを完成させてもらえばうれしいのだが、お役所は反省しているようには思えないのが気懸りだ。

薬には副作用はつきものだし、新開発の薬には常に危険が伴う。この薬害について許せないのは、アメリカではその危険性が判明して使用中止にしたのに、厚生省と製薬会社はなぜその情報を知りながら、アクションを起こさなかったのか?ということだろう。政府とお役所の不作為の罪は大きい。それにアメリカは日本にその薬を売り続けたということはアメリカの国民には危険でも、日本人なら安全とでもいうのだろうか?

薬害肝炎関連のニュースが流れると、いつも登場する福田衣里子さん、肝炎のサイトを見ていたら、たまたま彼女のことを書いたサイト(こちら)にぶつかった。

患者側から今に至る経過が書かれていて興味深い。
初代の厚生労働大臣だった坂口力議員や当時の厚生労働大臣柳沢厚労相はじめ、たくさんの代議士にも、お役人にもたくさん会って協力を訴えているようだ。彼女が言った以下の言葉が政治家のリップサービス振りを示していて腹立たしい。

【他にも多くの国会議員の方にお願いを続けていますが、与党の議員さんは「個人的には同情するが、立場上は動けない」とおっしゃる方が多いです。「立場」ってなんだろうなって……国民を苦しみから救ってくれるのが、議員さんの「立場」じゃないのかなって、少し悲しくなります。】

2007年12月26日水曜日

理髪店

今年も残すところ片手で数えられる日数になった。時間は同じように流れているのだが、暮れは何となくせわしなく感じるから不思議だ。

暮れといっても何か特別なことをするわけではないが、年内に理髪店に行ってさっぱりしておくのも昔からの習慣だ。私の場合は若い頃から着るものも調髪もあまり関心がない。周囲に不快感をもたれない程度であればよいという考え方なので、理髪店にもあまりこだわりはない。

最近、近所に理髪店が新装開店した。全国に428店舗を展開する全国チェーン店のようだ。散歩コースにあることもあって、今日は試しにそこへ行ってみた。

理髪用の椅子が6脚、洗髪用の椅子が3脚、従業員が6名。店は明るくきれいだし、なかなか感じが良い店だった。理容師さんも最近まで自分で店をやっていたようなベテラン揃いに見えた。だから技術もしっかりしているのだろう。そしてその料金にびっくり、何と1,575円だという。「頭洗いますか?」と聞くので頼んだら、それが210円、合計で1,785円(税込)。今までの一般の店の半分以下だった。

比較的大きな都市には大分前から価格破壊の理髪店が登場したが、私の住むこんな田舎町にまでこの種の理髪店できたことに時代の変化を感じる。

以前は一般に「床屋」と呼ばれる理髪店は組合という横のつながりが強力な商売だった。価格も一律、休日も一緒、値上げも一緒・・・全く無風な商売に見えた。ビジネスモデルで1時間当たりの手間賃を考えるとき、床屋の料金を考えればよい等ともいわれていた。

今日行った店は設備もサービスも技術も一般の理髪店と変わらない、それで価格が半分・・・利用者はありがたいが、これでは一般の理髪店も大変だろうと感じたものだった。私の若い頃は休日には何時間も待たされても、じっと漫画を見て順番を待ったものだ。それが過当競争から価格破壊と変化が激しい業界になったようだ。大都市ではカットのみ1,000円という店もあると聞いたが、一方でテレビに出演しているような人は何万円の理髪店に行くと聞く。

自由競争で選択肢があるのはよいことだが、資本のない小売業は成り立たない時代になったようだ。

2007年12月24日月曜日

娘の結婚

今年、我が家の1年を振り返ると、闘病生活の中にもうれしいニュースがあった。それは長女の結婚だった。

我が家は夫婦と娘2人の4人家族。次女は3年前に長女より一足早く結婚して横浜に住んでいる。初孫も昨年誕生し、ご主人がうれしい配慮をしてくれて、時々老夫婦を慰めるために娘と孫を帰省をさせてくれる。

長女は我々の年代が考える適齢期を過ぎているので、本人は放っておいてほしいだろうが、両親にとってはまるで喉につかえた小骨のように、気懸りだった。家内が娘と電話をするたびに同じ質問と愚痴をこぼすため、いつもお定まりの喧嘩で終わるということになって、電話さえ遠のくという始末だった。

今年の初めだったか、突然娘から結婚を考えている人がいるという話を聞いたときは、すぐ我が家への招待を促したものだ。娘は東京のある旅行会社に勤務しているが、お相手は仕事でいつも顔を合わせる航空会社の営業マンということだった。そして、ことは順調に運んで、11月22日「良い夫婦の日」に結婚・入籍をした。親としては子供の結婚はひとつの区切り。親の責任が開放され、肩の荷が下りる時。子供の巣立ちはうれしくもあり、さびしくもあり・・複雑な心境ではあるが、ひと安心という気持がいちばん強い。

今から40年くらい前だっただろうか、よくラジオで聞いた曲に「谷間に3つの鐘が鳴る」という大ヒット曲があった。
小さな村の教会の鐘は村びとの「誕生のとき」「結婚のとき」「死を迎えたとき」の3回、鐘の音が響き渡る・・一人の青年の一生を歌った歌だったように思う。アメリカの田舎の小さな村の情景が目に浮かぶようで好きな歌だった。

娘がその村に育てば、ようやく2度目の鐘を鳴らすことができたということになる。生まれれば、一つ目の鐘は誰にでも鳴る。3つ目もいずれかは誰にでも鐘を鳴らすときは来る。2つ目の鐘は最近は鳴らさない人も多いし、逆に何度も鳴らす人もいる。幸せな人間の一生、できれば順調に3回の鐘を鳴らすのがよい。

娘には平凡でも暖かくて幸せな家庭を築いてもらいたい。世間の父親は娘を嫁に出すときは誰でも寂しさを感じる。それもあるが、一方では新しく息子が増えるという気持も同じ位ある。

新しく息子になる青年はまじめで明るくて性格も良い。若い世代の人も様々だ。世の中の青年の中には顔をしかめたくなる人もたくさんいる。若い夫婦間にトラブルがあると、親だって頭痛の種が増える。

幸いにして、我が家の娘の連れ合いは二人とも良い青年に恵まれたことは本当に感謝すべきことだと喜んでいる。

2007年12月22日土曜日

年賀状

昨年は年賀状を25日前に出したのに、元日に届かなかった処があったと聞く。そんなこともあって今年は昨年より早めに準備して、今までになく早く20日に郵便局に出してきた。

昨年は郵政省での混乱があって、大失策の歳末だったようだ。
2008年用の年賀状は例年より売れ行きが好調のようだ。昨日も日本郵便より2008年用年賀ハガキを約1億454万枚を追加発行すると発表された。発行枚数合計は前年比5.8%増で、2年ぶりに40億枚の大台を回復するのだそうだ。配達や仕分けのアルバイトも昨年より2万人増やし、21万人体制で臨むという。

日本郵便株式会社は民営化された最初の正月なので、張り切っている姿が伝わってくる。多分25日に出せば元日には届くであろう。この3連休は日本全国年賀状を作っている人々の奮戦振りが目に浮かぶようだ。

これだけ何年も年賀状を書いていると、大体何日あれば年賀状が完成するか分かっている。早めに着手すれば間違いはないのだが、暇はあってもいつもいつもぎりぎりにならないと着手できないというのは悪い習慣だといつも反省する。

若い頃は版画を準備したり、宛名書きはすべて手書きだったので、準備にはずいぶん日数を掛けた記憶がある。最近はパソコンのおかげで準備日数はずいぶん短縮され楽になったが、そのかわり皆同じような年賀状になって味気がない。できれば手書きにしたいのだが、自分の書いた字は後で見ると破いて棄てたくなるほどの悪字なので、やむを得ずいつ頃からかパソコンで作成するようになった。

それでも、宛名のフォントをペン字体にして色をブルーにしたり、裏面のデザインをできるだけ個性的なものにしたり、手書きで文章を一言二言付け加えるようにはするのだが、出来上がりはもうひとつ気に入らず、自己満足だったことを悟りながら投函する。

年賀状の風習は日本だけかと思ったら、韓国、中国、台湾にも似た風習があると聞く。日本でこれだけ全国に普及したのは明治に入って新式郵便制度の実施後、郵便はがきが普及に伴って一般化したようだ。

歴史上、その前は何もなかったかというと、そうでもないらしい。平安時代に藤原明衡が著した「雲州消息」という書物に、年賀の手紙の例文がいくつも取り上げられているようだし、戦国時代に武将の書いた新年の挨拶文も残っているという。ずいぶん昔から行われている風習なのだ。

ひと頃、虚礼廃止などと言われ、年賀状も見直そうという風潮も一部にはあったが、元旦の穏やかな日、年賀状を見ながらしばらく逢わない人に思いを馳せるのも悪いものではない。

2007年12月20日木曜日

がん保険の問題点

17日に健康保険についての「つぶやき」を書いたので、今日はその続報として民間がん保険について書きたい。

我が家の家計は結婚当初から、家内に任せていた。従って、保険類も家内がすべて管理していた。最初の頃は出費はすべて主人である私にも相談していたが、途中から単身赴任で不在にする時期もあったりして、家計も育児もすべて家内にまかせっきりの状態になった。

保険類は掛けられる本人は最低限でいいと考えるし、受取人は多く掛けようとする。最初の頃はその掛金で言い争いをしたこともあった。いつの頃からは「家計の許す範囲で適当に・・・」ということになった。だから、生命保険も損害保険も、私は詳細は知らない。

2003年4月、私がガンだと告知されたとき、ガン保険はどうなっている?と初めて家内に聞いたくらいである。発病の15年位前に1口、8年前くらいに1口、合計2口加入していた。今まで保険には積極的ではなかった自分だったが、このときは家内に感謝をした。そしてその後約5年間、現在に至るまでそのガン保険に助けられることになった。同時に家内に頭が上がらなくなったし、仲の良い夫婦にもなったようだ。

ガンと診断されれば診断給付金、入院すれば1日あたりの金額×入院日数で支払われる入院保険金、手術保険金、通院保険金(20日以上入院した場合)などが支給される。

私の場合は最初の告知で入院・手術をし、その1年後再発してイレッサを飲むための入院をし、3年後イレッサをやめて、抗癌剤治療のために入院、その後は通院して抗癌剤の治療というような経過を辿っている。

最初の入院・手術でおりたガン保険の給付金は、今まで長年支払ってきた掛金の総額をすべて差し引いて、かつ個室に入って療養した病院への支払を済ませても尚且つ相当な額が手元に残った。

但し、問題点もある。私の加入した保険は最初の告知と入院・手術などには給付金がおりるが、古いガン保険では通院治療による抗癌剤の費用はカバーされない。通院の抗癌剤(イレッサも含む)ではガン保険の対象外なので、月々5~6万円かかる抗癌剤の費用は持ち出しとなる。

5年間では入院も通院治療もそれぞれ何度かあり、細かい計算をしているわけではないが、今までのがん治療の5年間のトータルではガン保険の給付金合計から病院への支払合計を差し引いた収支ではまだプラス(手元に残金がある)だと思う。

最近は抗癌剤がよくなり、種類も増えたこともあって、以前なら入院させた患者も通院で治療を行う傾向になっている。私の通う病院でも外来治療用のベッドが20人分あって、常に埋まっている。

そのような背景から、新しいガン保険では抗がん剤治療の補償を加えた保険が増えてきているようだ。国内、海外含めて日本で販売されている20社のガン保険では現段階で外来治療費を給付対象にしているのは23%だそうである。

これから加入を検討されている人は、この辺も考慮に入れて十分に比較検討をされるとよいと思う。

2007年12月18日火曜日

定期健診

本日は11月13日以来の定期健診。

10月31日のジェムザールの点滴を最後に、骨髄を休めるため抗癌剤をお休みして、12月12日に行ったPET検診でのガンの状況を診て、今後の治療方針が説明された。

●血液採取 全体には特別な異常はないが、白血球は3,500とやや低い。本来なら許容範囲3,900以上に戻るべきものがやや低いままに推移しているので、骨髄抑制の副作用の影響が残っている。
●レントゲン撮影 異常なし。
●PET検診 ガン組織の広がりや他への転移はないが、濃度がやや濃くなっている。緊急事態とはいえないが、引き続き抗癌剤の治療を要する。

●今後の方針 骨髄の働きが弱っているので、骨髄抑制のない抗癌剤を選択する必要がある。

候補 先生の頭には次の4つの候補がある。緊急を要する状況ではないので、年末年始をはずして年明け1月9日からイレッサの再服用を開始して、様子を見ながら、下記②、③、④の中から適する方法を選ぶ。

①イレッサ 再服用。効かなくなった人も、前に効果があった場合は再服用で効果を出す例がある。
②タルセバ 新薬。2月から使用可能となる。副作用はイレッサと類似。但し、皮膚疾患はイレッサよりひどくなる見込み。
③治験薬A(名前はない。記号が付いている)私の状況と製薬会社の条件が合致したときに使用可能となる。2月ごろから服用可能だが、まだ候補の段階。外国では認可・使用実績がある。
④治験薬B(同上)③とは別の治験薬。

2007年12月17日月曜日

健康保険制度の恩恵

前回ガンの治療費のことに触れたが、何もかも不満ばかりを感じているわけではない。治療費の高さに嘆く一方で、日本の健康保険制度や民間のがん保険に救われているという思いも大いにある。今日はその健康保険制度について「つぶやき」を・・・。

ご存知のように日本は世界でも誇れる皆保険といわれている。大中企業は単一健保組合、小企業の方は政府管掌健康保険、教職員は共済健保、船員は船員健保、無職・自由業は国民健保等々どんな職業についても健康保険組合がある。私はサラリーマン時代は所属する会社の単一健保に、退職後2年間の任意継続を経て、国保に移った。

私のように癌治療で多額の治療費が発生する場合は「高額療養費制度」が命綱となる。医療機関への支払いがいくら高額になっても、「高額療養費制度」によって自己負担限度額以上は後日戻される。

自己負担限度額(高額になっても自分が支払う分)は何年か前まで収入に関係なく一律36,000円代だった。つまり何十万円かかろうと1ヶ月のトータル金額がほぼ36,000円で済んだものだった。それがその後の何度かの値上げで、今は限度額が引き上げられになり且つ複雑になった。

今は収入により3段階になり、月収56万円以下ならほぼ80,000円台(数式があり、医療費を代入して計算する)が自己負担しなければならなくなった。私のサイト(こちら)に収入別の計算式があるので、必要な方は参照されたい。

意外と知られていないことで「多数該当高額療養費」という制度がある。これは過去12ヶ月以内に同じ世帯で4回以上の高額療養費の支給を受けたときは、4回目以降の自己負担限度額は減額となるという制度である。月収56万円以下なら自己負担限度額が44,400円になる。これは個人が申請しなくともそれぞれ所属する保険の保険者から通知がくる。(くわしくはこちら

私の場合もこの春から夏にかけて、抗癌剤治療で何回か入院して3回以上高額療養費に該当したので、先月と今月は市の国民健康保険課から通知が来て、44,400円以上支払った分の還付を受けた。

入院などして支払額が高額だと、いずれ戻るとはいっても医療機関の窓口に支払うのは大変だった。今年の4月からは事前に医療機関に「限度額適用認定証」(保険者に申し出ればもらえる)を提出しておけば医療機関で差し引き計算をしてくれて、自己負担限度額だけを支払えばよくなったので、手続きはずいぶん楽になった。

2007年12月15日土曜日

タルセバ価格決定

情報スクラップに掲載したように非小細胞肺がん治療薬エルロチニブ(商品名「タルセバ」)の薬価が決まった(こちら)。10,513円(保険が利くので、30%=自己負担分は3,154円)。これが高いのか、安いのか、立場立場でいろいろな意見があるのだろう。「こんな小さな錠剤が10,000円!」と思う人も少なくないだろうし、今まで個人で購入していた人は12,000円強と聞いていたので、安いと思うだろう。

私は以前はイレッサを服用していたが、イレッサ1錠は7,216円だった。それよりは大分高くなる。抗癌剤は毎日飲むので、その価格差は大きい。例えば1日1錠飲む人は3,154×30日として1ヶ月の薬代の自己負担分が94.620円となる。

私の場合はイレッサを飲んでいた頃は副作用(肝臓数値、皮膚疾患)が強くて、途中から隔日服用になったので、7,216×30%×15日=32,472円の薬代とその他の薬代、検査代、諸々併せて月々平均して50,000~60,000円かかっていたと思う。化学療法は費用がかかるのが悩みの種だ。

同じ情報スクラップの12月6日の記事に「11月の記事ランキング、高度化するがん化学療法が家計を圧迫が第2位に」という記事があって、その中に「高度化するがん化学療法が家計を圧迫 経済的理由で治療変更せざるを得ない患者も」(こちら)の記事は今多くの抗癌剤治療のがん患者が抱えている悩みが記されている。

医学の進歩で新薬が開発されて、命が延びることはありがたいことだが、反面治療費の高騰は家計を直撃する。がん患者の多くは高齢者であることを考えると、この費用問題は頭が痛い問題だ。月々10万円近い費用は年金生活者にとっては払いきれないケースも出ることは想像に難くない。

記事中の調査を行った東北大学医療管理学教授の濃沼信夫氏は、「がん治療など、負担の重い疾患に優先的に公費を重点配分し、代わりに自己負担でもまかなえるような軽い疾患の負担率を上げるといったように、負担率に傾斜をつけるような制度へシフトしてもいいのではないか」と提言している。

患者の立場は物が言いにくいが、ガンがこれから国民病のひとつになることを考えれば、費用の問題は患者本人の問題でもあり、家族の問題でもある。今若い人にとっても、これは将来自分に降りかかる問題なので、このような改正がされるとは有益なことだろう。

2007年12月12日水曜日

PET検診

今日は以前に予約したPET検診の日。予約が13:30なので、朝食を遅めにした昼食は抜きにした。

PETといっても、何年か前からPET-CTと呼ばれる設備になったので撮影時間が短くなって以前のPETよりは随分楽になっている。

私の場合、前に記したように抗癌剤を打つ期間が長くなったので、骨髄を休めるために現在抗癌剤を休止している。そのため、抗癌剤の副作用から開放され、体調は良い。

その反面、ガン自体がどうなっているかという心配がある。今回のPET検診は、その確認を行う。ガン自体の自覚症状は全くないので厄介だ。

結果は次の定期健診(12月18日)で結果の説明と今後の方針が説明される。

2007年12月10日月曜日

小春日和

天気予報でよく聞く「小春日和」。季節には関係なく、春のようなぽかぽか陽気のことをさすのか…と何となく誤解される人が多いようだ。

ものの本で調べてみると……
「小春日和」とは11月~12月上旬にかけて、寒さが厳しくなってきた頃に思いがけなく風の弱いぽかぽか陽気になる天候のこと。そして小春日和には2つのタイプがある。
★西高東低の気圧配置でも、ときどき日本付近の等圧線がゆるんで風が弱くなる。
★大陸から比較的暖かな移動性高気圧がやってきて、日本を覆うとき。
……だそうである。

12月上旬というから、厳密にいうとこの冬は今日がこの言葉が使える最後の日ということになる。

私の住む沼津近辺でもここのところ、連日のように正に上記にぴったりの小春日和が続いていてありがたい。日なたぼっこにも散歩にも格好の陽気だ。

私が1日のうち大半の時間を過ごす2階の部屋は南向きで日当たりが良い。冬にこのような天気の良い日の日中には暖房器具などは全く不要で、むしろ上に着ているものを1枚脱ぐほどである。

テレビを見ていると、国土の狭い日本でさえも南から北ではずいぶん気象条件が違うと感じる。
特に冬はその厳しさに大きな差があるようだ。雪国では毎日の雪下ろしは重労働だし、危険も伴うと聞く。移動手段も制限されるし、暖房費用なども大きな差となろう。最近灯油の値上げが家計直撃するという話題がテレビで取り上げられるが、ひと冬で万円の単位となると、その影響は大きいだろう。

政府がいろいろな援助手段を検討しているようだが、特に年金生活者等の家庭には早急に実質的な援助がされることを望みたいものだ。

2007年12月7日金曜日

散歩道での新発見


快晴で、穏やかな陽気なので午前中の散歩は浜に出てみた。

海岸での散歩は大体松林の中の遊歩道を歩く。遊歩道は最近作られたものだが、道の脇や松林の中には思いがけず江戸時代の痕跡を発見することがある。
今日はいつもと違って松林より海側にある防潮堤の上を歩いていたら、海側にも所々にある松林の間に碑のような物が見える。堤を降りて、近づいてみるとそれは供養塔(写真)だった。防潮堤からは松の木で見えにくい所にあるので、私にとっては新発見だった。

中央の塔が古いもので、周囲は後世に沼津市教育委員会が整備したもののようだ。教育委員会が整備した碑のの説明文を読んでみると、「この塔は近辺の漁業の守護神として天保12年(1841)3月に建立した。漁業者は水難者を丁重にまつることが、豊漁と海辺の人達の幸せにつながる」という主旨のことが記されている。

中央の塔は166年間も海風にさらされたので、文字も半分ぐらいは消えかかっているが、周囲の面には当時の出資者や有力者らしき名前が読み取れる。東助郷中、西助郷中などの今は存在しない近隣の組織の名称なども書かれている。そして、「高木與三右ェ門、長橋安右ェ門、近松源内、廣瀬三郎兵衛・・・」等々いかにも江戸時代らしい先祖の名前の数々が見える。この名前を眺めていると、166年前、5~6代前の先祖達がここに集う様が目に浮かぶようだ。その人達の風貌や、チョンマゲ姿、服装、生活、等々はどんなだっただろうかと想像するのも楽しいものだ。

1年ほど前だろうか、浜の松林の中の遊歩道を散歩中、旅行者らしき人に呼び止められて「史跡の場所」を尋ねられたことが2度あった。ひとりは市役所でもらったという地図を持っており、ひとりは観光ガイドのような出版物を持っていた。その地図を見ると毎日の散歩道の5㌔くらいの間に5箇所も江戸時代以前の史跡が載っていた。

地元に40年も住んでいても知らない史跡があるなんて・・・と思いながら、その後は遊歩道から離れた物にも注意しながら歩いた結果、その後4つ発見した。今日の発見がその5つ目だった。

2007年12月5日水曜日

老人保健

来年の4月から老人医療の新しい保険制度が発足する。
この制度の対象は75歳以上だから、私自身がその対象になるにはまだ10年あるのでもうひとつ関心がわかない。新聞などに詳細な内容の説明があってもあまり熱心に読む気はしない。

運よく長生きすればお世話になることになるが、正直言ってこれから先に何がどう変わるか分からないというのが本音だ。多くの方が似た考え方の人が多いのだろう。でも、親御さんやご兄弟が該当するようなら、ご本人は高齢なので、周囲の人が早目から検討して、助言されたらよいと思う。

私の両親(両方が故人)はいちばん良かったときの老人保険制度の恩恵を受けたとても運の良い世代だった。この制度自体がそれほど古くはなく、昭和48年に発足したと聞く。最初は70歳以上が対象で自己負担はすべて無料になった。非常に良い制度としてスタートしたのだが、その後いろいろ不都合なことが発生したようだ。

曰く、暇な老人が病院の待合室を占拠する「病院のサロン化」、病院の出口のゴミ箱は支給された薬でいっぱいになる、治療費が無料なので高齢者の長期入院者でベッドがふさがる・・・等々。真偽のほどは別として、老人医療費が予期せぬほど急激に増加したことは事実のようで、これにあわてた厚生労働省はいろいろな修正を加えてきた。今度の新制度発足もその一環のようである。

私は国民健康保険に所属するが、3年前までは勤務していた企業の健康保険組合に所属していた。そして多くの健保組合がこの老人保健制度にネを上げていると聞いた。企業の健保組合だから一見老人保険制度に無縁だと思うが、それが大違い。

企業の健保組合は従業員の給与から毎月何%かを天引きして、それに企業が同額負担してその両方を基にして、従業員と扶養家族の病気治療にかかる費用や出産費用等々健康保険を運用する。ところが、すべての健保組合は国から老人医療に回すための拠出金を納めることを強制されるのである。それも費用総額の40%近くと大変な額に上り、健保保険組合によってはその負担が大きすぎて、赤字運営を余儀なくされるところが多いと聞いた。

老人保険制度の原資は国からの税金が38%、被用者保険からの拠出金が62%で運営しているのである。つまり、現役世代が先輩の医療費を負担するという考え方だ。新制度はこの拠出金を軽減することも目的の一つのようだ。

4月からスタートする老人保険制度は75歳以上が対象であり、これからは該当する年齢になると、今までの健康保険制度を抜けてそちらに移るということになる。息子や娘の勤め先の健保組合の扶養家族になっているなら、月々の扶養家族の分の保険料はタダだったものが、新保険に移ることで新たに保険料を払うことになる。今までが国民健康保険なら、別の制度に移るので掛け金が変わる。

新たな支払う保険料も住む都道府県によって随分違うというのは不可解だ。僅かな差なともかく、今の試算では2倍もの差となるというからバカにならない。いずれは修正が行われるのかどうか?
各都道府県の保険料はこちら

2007年12月3日月曜日

アサヒる

毎年今頃になると、今年はやった流行語が取り上げられる。
ネット系のニュース・サイトを見ていたら、12月3日発売の現代用語の基礎知識2008に新しく97の言葉が収録されたと載っていた。「フルボッコ」「ローゼン麻生」「アサヒる」「アタシ、もうアベしちゃおうかな」「初音ミク」等々、私は殆ど知らない言葉だが、「アサヒる」だけは何度か目にした。「アサヒる」という言葉がネット上で本当に流行しているのかどうか、試しにYahooで検索してみると、12月1日時点で263万件超の検索件数があった。なるほど、「流行している」というニュースは、まんざら嘘ではないらしい。

『はてなダイアリーキーワード』によれば、「アサヒる」の意味は「捏造する。でっちあげる。執拗にいじめる」ということらしい。その起源は、2007年9月25日付の朝日新聞に掲載されたあるコラムニストによる次のようなコメントらしい。「『アタシ、もうアベしちゃおうかな』という言葉があちこちで聞こえる。仕事も責任も放り投げてしまいたい心情の吐露だ。そんな大人げない流行語を首相が作ってしまったのがカナシイ」。この「アベしちゃう」に、ネットユーザーが敏感に反応した。そのコラムニスト氏のブログには「そんな流行語は聞いたことがない」「また朝日の捏造だろ」といった書き込みが殺到し、その中から「アサヒる」という言葉が一人歩きし出したらしい。

つい3年前、私がイレッサを飲み始めた頃、私には相性が良かったらしく効果を発揮し、命を永らえた。ちょうどその頃、朝日新聞だけがイレッサ承認取り消し大キャンペーンを展開していた。正にアサヒる対象にイレッサを選んだようだ。幸い厚生労働省はそのキャンペーンをまともには取り上げなかったが、その時「私の命の元を断たないでくれ。新聞は事実だけを伝えろ」とこの新聞に大変な不快感を持ったものだ。

朝日新聞とは思想的に対極にある週刊誌がこれを揶揄する「アサヒる.web」なるサイトを作った。(こちら)

この内容を見ると、これでもかこれでもかと「アサヒる新聞(失礼)」やTBSを揶揄する記事が満載だ。

他愛のない内容だが、随分手間をかけて作っているという印象だ。思想的に左でも右でもない私が読む分には大声で笑ってしまうほど面白いが、朝日新聞やTBSの関係者が読むとさぞかし不愉快だろう。

新聞が本来の役割を逸脱せずに、中立の立場で事実だけを伝えている分には「アサヒる.web」のような中傷は起きないだろうに・・・と思う。

2007年12月1日土曜日

足湯の効能

今年も早いもので、今日から12月、カレンダーも最後の1枚になった。毎日ようやく冬らしい寒さを感じるようになった。冬といえばお風呂が恋しい季節になる。

私の家から車で30分ほどのところに伊豆長岡温泉がある。この病気になってから、温泉が治療に役立つということで時々日帰り温泉に出かける。車で走る県道の脇に公園があり、誰でも無料で使える足湯がある。いつも通るだびに観光客が足湯を浸かりながら、おしゃべりをする姿を見かける。
お風呂に入ることに越したことはないが、お風呂に入れない場合もこの足湯、なかなか健康には良いようだ。以前にある本で「足湯の効果」を読んだことがある。今日は私のダイアリーに記録されたこの「足湯の効能」について紹介したい。これから冬に向かって身体が冷えやすいので、費用もかからず効果が大きいこの足湯、ぜひ実行されると良いと思う。

全身を流れる血液中には、栄養分や酸素などのほか、代謝によって産生された老廃物なども混じっている。これらは尿などによって排出されるが、血の循環が悪かったりして排出されないと血液中に残り、引力の関係で下、そして血液の折り返し点、つまり足にたまりやすい。
足にたまった老廃物はやがて血行を阻害し、さまざまな病気の元となる。つまり、まず足を温めて血の循環をよくすれば病気の予防になるということになる。

●風邪のときだけでなく、足湯を習慣に!
風邪をひいたときなど、お風呂に入れないときでも、足湯なら可能。42度ほどの、ちょっと熱めのお湯にふくらはぎから下をお湯につけて、約20分。足を温めることによって、血液循環が促進され、温かい血が全身を駆けめぐる。全身浴とほぼ同じ効果が得られる。気軽にできるので、風邪のときだけでなく、テレビや本を見ながらでも、「入浴」と同じ効果が得られるという。
バケツにお湯を入れて足湯をしてもいいが、温度調節のできる足湯器もあるという。そして入浴剤を入れれば、保温効果が上がるのでよいそうだ。

●足湯は免疫機能をアップさせる
足湯は全身浴と同じような効果が得られるが、もちろん体温は上昇するが、ある実験で、免疫機能もアップさせることが分かったそうだ。
40~41度で20分足湯をして、20分後に採血をして、血液の状態を調べた。すると、ガン細胞を殺す作用のある「NK細胞」の活性度が、10人中7人で増加したという。足湯は体の免疫力をアップさせる力があるということになる。足湯の効果をさらにアップさせるために、足湯のあとには足のマッサージを習慣にすると良い。足の裏には体の全神経が集中していて、そこをもみほぐすことによって、血液の循環はますます高まり、体の機能アップにつながる。