2008年11月17日月曜日

奇跡のリンゴ

先日ご近所さんからリンゴを戴いた。

小さいときには母の実家の長野県で育った時期があって、リンゴはなじみの深い果物だ。最近のリンゴはどれも蜜が豊富で甘いものばかり。子供の頃は酸味の強いリンゴも結構あったが、今はどの品種もおいしくなっている。

リンゴといえば、青森で無農薬のリンゴを作っている木村秋則さんのことを書いた「奇跡のリンゴ」(石川拓治著:幻冬舎)という本が話題になっている。木村さんが無農薬でリンゴを作った奮闘記ということから、それほどの期待をしなかったが、読後は石の中に玉を見つけたようなお得な気分を感じる本だ。

リンゴ農家の常識では無農薬・無肥料でリンゴを作ることは、絶対に無理とされ、「不可能ということが常識」であったのだそうだ。

だからその道ではよく勉強した人は、それをほとんど疑いもせず、ばかげた挑戦をする人もほとんどいなかったという。

若いころは東京でサラリーマンをしていた木村さんが、リンゴ農家の跡継ぎのために帰郷後、奥さんが農薬アレルギーであったこともあって、その「絶対不可能の常識」に挑戦することとなる。

現実の収入難の苦しみ、周囲からバカと罵られ、無理解の孤独感に堪え、壮絶な艱難と辛苦に耐え抜いて、ついにその奇跡のリンゴを作るのだが、そのときどきの思いは読む人を引き込まずにはおかない。

何度失敗してもあきらめずについに成し遂げた「不屈の信念」と、「地道さ」、「謙虚さ」はあらゆる分野の人にも参考になる。

その木村さんの多くの言葉が珠玉のように詰まった本だが、「リンゴの木は、リンゴの木だけで生きているわけではない。 周りの自然の中で生かされている生き物なわけだ。 人間もそうなんだよ。人間はそのことを忘れてしまって、 自分独りで生きていると思っている」という言葉はとても含蓄が深い。

他者とのかかわりの中で生きている・・・どんな仕事をしている人も、どんな環境の人も、万人がもういちどこのことを考え直せば違う道が見えてくるのかもしれない。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

tamyさん

お元気そうで良かったです。tamyさんのお元気が私たちの
明日につながっていると思うと、とても嬉しくなります。
治験薬の商品名は何と言うのですか?

野菜スープは飲んでおられますか?


私もこのリンゴのお話は、TVで観、知っていました。何事も成し遂げる事は大変な努力と家族の協力が必要ですね。但、長年付き合って来た主婦感覚で物を見るもですから、高いな〜とは思いました。

でも、切って置いておいても茶色くならないとか、、、
ちょっと食べてみたくなりました。

tamy さんのコメント...

takemiさん

治験の薬にはまだ名前がありません。「ARQ197」という記号で呼ばれています。
世に出るのは治験の結果次第で、少し先になるでしょう。

無農薬リンゴを作った木村さん、屈託のない笑い顔からは壮絶な苦労話は想像ができませんね。でも、ことを成し遂げたイイ顔をしてますよね。

野菜スープは家内がまとめて作って、毎朝飲んでいます。