2009年2月21日土曜日

シッコ

月に2度ほど、近所のTSUTAYAでDVDを6枚(1日1本ずつ、1日はお休み)借りて毎晩1本ずつ映画を楽しむというのがここのところのパターンになっている。今週借りた6枚のうち、印象深かった1枚が「シッコ」だった。

このタイトルだけを見ると少々お行儀の悪いと思われたかもしれないが、これは前に「お」を付ける言葉ではなく、英語『SiCKO』である。少々古いが日本では2007年の8月に公開されたアメリカ映画。「SiCKO」とは、「狂人」「変人」などを意味するスラングだそうである。

「SiCKO」は社会問題を扱ったドキュメンタリー作品で、いつも物議を醸すマイケル・ムーア監督がアメリカの健康保険問題を取り上げた作品である。

冒頭に仕事中に電動ノコギリで誤って指を2本切断した人の体験談が登場する。指をくっつける手術費用が薬指は12,000ドル、中指なら60,000ドルと言われ、両方は払えないので、中指は諦めたという話。

アメリカには皆保険制度がなく、保険制度に入っていない人が5,000万人もいるので、上の例のようなケースや治療ができずに亡くなる方が大変多いのだそうだ。

それをカバーするために民間の医療保険もあるが、いざ医療となるとあらゆる手段を講じて保険金の支払拒否をするのだそうである。

一方で、カナダやイギリス、フランス、キューバの例が登場する。この国々はすべて医療費が無料だそうだ。キューバは社会主義だが、その他の国でも医療費が無料だということは初めて知った。

わが日本も皆保険制度があるので恵まれている方に属するのだろうが、患者負担が10%から、20%、30%と増え続けている。最近では後期高齢者などと区分けをして、収入のないお年寄りからも保険料を徴収する制度がスタートした。何かどんどんアメリカの制度の方に近づきつつある不安を感じざるを得ない。

社会保障には金がかかるのは分かるが、カナダ、イギリス、フランスにできてその他の国にできない理由はない。

消費税を増やすばかりでなく、歳入と歳出の見直しをすればずいぶん収支は改善される。わが国にはものすごい額の無駄遣いがある。お役人の天下り先である財団法人の数をちょっと減らしたり、無駄な道路工事をちょっと減らすだけでも医療費ぐらいは軽く出るのではないだろうか?

優秀なお役人と、選挙で選ばれた政治家の先生方がいつになったら国民に目を向けてくれるのだろうか?

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

tamyさん

お体の具合は如何ですか?未だインフルエンザが流行しているし、花粉の飛散も恐怖ですね。

tamyさんは映画がお好きなようですね。私もTVの映画を録画したり、レンタルしたりで時間を潰しています。以前は邦画は好きではありませんでしたが、『隠し剣」から少しずつフアンになりアニメも観るようになっています。
でも、何と言っても昔に観た『めぐり逢い」が大好きで
何度も繰り返し観てしまいます。『シッコ」今度借りてみます。

数日前から定期的に微震があるので、この頃地震が多いと思っていましたら、近所のグランドの砂の敷き替えと知り、年度末が来た事を、感じました。全く無駄です。
政治も混迷しているし、どうなってしまうのでしょう?
不謹慎ですが、今度は誰が総理大臣になるかなんて
主人と賭けをしています。平和ボケなんですね。

今日の富士山も奇麗でしょう!
こちらの空も青く澄んでいます。

tamy さんのコメント...

takemiさん
映画は小学生の頃からの最大の娯楽でした。場末の映画館で3本立ての嵐勘十郎や大河内伝次郎の鞍馬天狗(といってもご存じないでしょう)を朝から夕方まで見ていたものです。
今でも映画には特別な思い入れがあるんです。3つ子の魂100まで・・・です。

匿名 さんのコメント...

tamyさん、シッコは有名になりましたね。ずばり、こんな映画が作れる国が羨ましいですね、報道の自由があるし、何者にも恐れずに率直に映像化出来る事が大変重要ですね。感心しました。人間にとっては自由ほど大切な物はないですね。平和ボケなんて言葉は戦争の怖さを知らない人の戯言としか思えませんね。毎日のこの大切な平和な生活がどんなに貴重かを考えて生きていきましょう。

tamy さんのコメント...

大さん
この映画を見ながら私もそれを感じました。アメリカの恥部を堂々と表現できる・・これが日本のご近所のかの国だったら映画どころか、口に出しただけで収容所送りですものね。

映画の中でヒラリー・クリントンが大統領夫人だった頃、アメリカに皆保険制度を導入しようと働いたとき、共和党に寄ってたかってつぶされた逸話が出てきます。今の民主党政権では再びその方向へ動くのではないでしょうか?

匿名 さんのコメント...

tamyさん、利権から既得権益を外す事が大切です。一度政党を変える勇気がいりますね。五十年も同じ政党が政治をやっている国は民主主義の国ではありませんね。必ず左右の対立があって、初めて自分の思う政党を選べるのです。左右の数は同じくらいが一番良い状態ですね。駄目な政党はすぐ変える方針を国民が選べる様にしておくことです。

tamy さんのコメント...

大さん
全く同感です。今度の選挙は多分自民党は野党になるでしょうが、民主党とて問題だらけ。
混乱時代から、ガラガラポンの時代を経るでしょうが、早く健全な政党が誕生するのを望みたいものです。それにはまだ何年か必要でしょうね。
総理大臣になることだけが「目的」の薄っぺらな世襲議員はもうご勘弁・・・。総理大臣になることは「手段」で、何をやるのかを「目的」にした議員を望みたいものです。